こどもの機会格差の解消を目指すネッスー株式会社（本社：東京都世田谷区、代表：木戸優起）は、特定非営利活動法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク（JVOAD）より2024年12月に“令和6年能登半島地震地域コミュニティ再建業務”を受託（石川県より委託を受けたJVOADから再委託）し、2025年1月から2月にかけて、石川県白山市・小松市・加賀市の3市にて広域避難者を対象としたコミュニティ形成再建事業を実施しました。本事業は、避難生活を送る方々が抱える孤立や不安を軽減し、避難者同士のつながりを深めることを目的としています。
本事業実施の背景と目的
2024年元日に発生した能登半島地震により、被災地では広域避難を余儀なくされ、現在もなお、地元に戻ることができず、避難先での生活を強いられている方がいる状況です。阪神淡路大震災・熊本地震など過去の震災では、避難者が仮設住宅や自宅等にとどまり、コミュニケーション不足などによる孤立が深刻化しました。これらは災害関連死のリスクとなることから、地域住民同士が触れ合える機会を定期的に創出し、孤立化を防止することが重要になります。
本事業において弊社は、遊びや体験の機会が制限されているこどもや子育て世帯をはじめとした避難者が顔を合わせ、食を通してつながれる新たなコミュニティづくりを、白山市・小松市・加賀市の3市で各2回、計6回開催しました。地域の支援団体様にも協力いただくことで、避難者同士の“横のつながり”を促進し、安心して生活できる地域コミュニティの再構築を目指しました。心理的ケアと地域内連携の強化を進めることで孤立化を防止し、避難者のつながりを深め、新たなコミュニティの創出につなげています。
実施概要
• 実施期間：2025年1月〜2月
• 対象自治体：白山市、小松市、加賀市
• 対象者：各市内に避難している広域2次避難者
• 内容：（各市で全2回開催）
<第一回目> “冬の手しごと”自家製味噌づくり体験会
被災後、味噌づくりが途絶えていた方々の声を受け、能登の伝統的な「冬の手しごと」である味噌づくりの体験会を開催しました。参加者は仕込み作業を通じて、震災前の日常を取り戻すきっかけや避難先での新たな人とのつながりを実感し、自らの手でつくる味噌に「ふるさとの味」を重ね、心の安心感と地域の再構築への一歩を踏み出す機会をつくりました。
<第二回目> 味噌玉づくり ＆ 地元食材を使ったお食事会
地元のお味噌を使った「味噌玉」づくりと、地元の食材をふんだんに使った食事会を実施しました。手作業を交えた交流の場では、避難者同士が再び顔を合わせ、笑顔と会話が広がりました。食を通じた相互理解が進み、地域住民とのつながりのきっかけも生まれるなど、避難生活における孤立の解消や心の復興に向けた温かな一歩となりました。
イベントの様子・参加者の声（抜粋）
<第一回目> “冬の手しごと”自家製味噌づくり体験会
- 同じ境遇の方と話すだけでなく、一緒に取り組める活動があって良かった。
- 毎年行っていた味噌づくりができて嬉しかった。
- 茶話会では、趣味や好きなことなど普段話せない内容を共有できた。
- 「何もなくなってしまった今、新しい宝物（自家製味噌）ができた。次に地震が起きたら味噌樽を持って逃げたい」と感じた。
<第二回目> 味噌玉づくり ＆ 地元食材を使ったお食事会
- 2回参加することで、話題の変化を感じた。1回目は地震当時の話が中心だったが、2回目は現在の生活や今後のことなど前向きな会話が増えた。
- 味噌玉づくりは初めてで、一人暮らしのため重宝しそう。今後の生活に取り入れたい。
- 地元にはないおしゃれな企画で、非常に楽しい時間だった。
- 避難者同士が集まれる場が少なくなっている中、このような企画は貴重でありがたい。
- たくさんの人と温かい食事を囲むのは久しぶりで、心が温まった。
協力事業者・団体（順不同）
• 加賀味噌食品工業協業組合（味噌づくり運営、材料提供）
• 水上商会（会場提供）
• JA加賀（食材提供）
• NPOかもママ（会場提供、運営協力）
• こまつ子ども食堂（運営協力）
• 能美市三道山子ども食堂（運営協力）
• 白山市社会福祉協議会（会場提供、ボランティア募集）
• 小松市社会福祉協議会（会場提供）
今後の石川県との連携に向けて
本年度、弊社は石川県の 「令和7年度子ども食堂等における食育の推進事業運営業務委託」に係る公募型プロポーザルにて委託事業者に選定されました。地域の産品や自然環境を活用してこども食堂やひとり親世帯を支援する弊社の“こどもふるさと便”事業を通じて、被災地はもちろん、石川県全域のこどもたちへの継続的な食支援と、ふるさととのつながりを育む取り組みを進めてまいります。私たちにとって、被災地支援は今後も大切な活動のひとつであり、一時的な支援にとどまらず、地域に根ざした持続可能な仕組みとして事業展開してまいります。
参考リンク
・石川県 農林水産部ブランド戦略課
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/nousei/brand/kodomosyokudo/top.html
・こどもふるさと便石川県プロジェクトページ
https://kodomo-furusato.com/project/2025ishikawa/
本件に関するお問い合わせ
ネッスー株式会社 広報担当 古薗
E-mail: pr@nessu.co.jp